古い浮子を手直しすること(1043回)

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古い浮子を手直しすること(1043回)

2023年7月16日(日曜日) テーマ:へら浮子制作日記

画像の浮子は渋谷の佐々木さんから依頼されたものです。

花春さんの浮子10本組です。トップ等を交換するのですがまずは手に取りマジマジと眺めます。さすが花春さんの浮子だ。随分昔の浮子だけど堅牢ながらもハンドメイド特有の美しさを兼ね備えている。

トップ交換と若干黄変を始めてるボディを水研ぎし再度ウレタンクリアで上塗仕上を施しこれで終了。長年使われなかったこの浮子たちもきっと喜んでくれてると思っています。

 

へら浮子のレストアを請けてる茅春でありますが、このレストアって商売からするとお金になりません♪時間は案外かかるし、お客さんと作者に対して失礼に当たらないように仕上げないといけないからです。特に難度が高いのがムクトップの交換作業です。引っこ抜いて付け替えれば良いのだけど、この抜く作業が難しいのです。ボディにダメージを与えないようにしないとなりません。作業手順やコツがありますが何度やっても気を緩めない作業です。

 

30数年前はサラリーマンだった茅春です。子どもが小さくお金がかかるのに釣りばかりしていました。当然お小遣いも知れてるので自作のものを大切に使っていました。へら浮子は当時は作っていなかったので都内にあったリサイクル店で安く購入後、トップを交換とエアブラシで自家塗装をして間に合わせていたことを思い出します。

 

へら浮子って道具の中でも破損の割合がどうしても高くなります。竿で叩いたりしたら繊細な作りであるため傷がつきやすい。

破損して浮子を捨ててしまうのは簡単ですが、破損した浮子の姿は悲しいものです。しかし直せばまだまだ使えます。私だけではなく現役の浮子師さんそして亡くなった浮子師さんが丹精込めて作り上げたへら浮子ですのでなんとか最後まで使って欲しいと願っています。綺麗に修復されたへら浮子はまた以前のように頑張って良いアタリを出してくれると信じています。

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