壊れた鮎玉(888回)
2019年6月28日(金曜日)
茅春のオヤジはこの独り言で何度となく登場してきます♪
若いころから家族を顧みず好きなことやってきた親父です。釣りは海水魚淡水魚問わず凝りまくりました。道具も一流の物を欲しがりどのような手を使ってでも手に入れてきたのです。釣りだけではなく単車もそう。日曜大工に盆栽、模型に自転車。その他にもまだまだある・・・
こんなオヤジだからそのしわ寄せは亡き母親や姉と私なのでした。給料など家に入れず自分の欲しいものを買っていたからです。小さいころからオヤジのようにはなってはいけないと思っていたにもかかわらず、齢を追うごとにオヤジに似てくる茅春。親子の縁は切れないということなのかな・・・
こんなオヤジが脳梗塞で入院したと姉から一昨日連絡がありました。急きょ埼玉の狭山市に行った私です。幸い軽い脳梗塞ですんだようで一安心しました。
病室に入り久しぶりにオヤジのかを見ました。随分齢を取った・・・!そう思いながら『おう!困ったもんだな!』そう言って話しかけた私です。オヤジはちょっとどもった声で『来たのか・・』そう言って笑って私の顔を見つめていました。
髪の毛もすっかり薄くなり若いころのような目の鋭さも消えている。87才だ、年も年だし病気もすればこうにもなるのか。
しばらく釣りの話になる。オヤジもへら釣りをやっていて相模湖にも一緒に行ったことがあるのだ。春先20数年ぶりに相模湖の矢沢に行ったよと話をすると、矢沢かあ・・・あそこは真っ暗で気持ちが悪かったなと笑うオヤジ。
浮子は売れてるのか?そう心配して私に聞いてきた。大丈夫なんとかやってると笑って返す私です。
相変わらず笑って私の顔を見てるオヤジ。縁起でもないんだけど、もうこの笑った顔も見ることができないかもと内心思うとなかなか帰れない私でした。
とにかく元気になってな!帰り際オヤジの頭を撫でてやる。オヤジは笑ってされるがままでいた。
小さい頃私の頭を撫でてくれた記憶はあるが私がオヤジの頭を撫でてやるのは生まれて初めてかもしれない。そう思うと涙が出そうになり必死にこらえたのです。
お袋をさんざん泣かせてきた親父が憎かった時期もあるけど、今ではどこにでもいるオヤジになってる。
頑張ってもうちょっと長生きさせてやるか!そう思いながら工房に帰ってきた茅春あります。へへへ
生まれ故郷の世田谷で♪今では茅春がオヤジを抱っこだな・・・アハハ
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